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◆過労死が発生した際の会社責任について
労働者自身の健康状態にも影響はされると思いますが、労働者が長時間労働を行った結果として過労死した際に、使用者はどこまで責任を負うのでしょうか。単発的な業務繁忙なのか常態的なものなのか、各種条件はあると思いますが、労災認定の基準としては次の2点で判断されます。
①過労死対象となる病気を発症したかどうか
②その発症に業務起因性があるかどうか  労災の対象となる病気については、①脳・心臓疾患、②精神疾患に分けられます。そして、業務起因性については時間外労働が一つの基準になりますが、単月ですと時間外労働が100時間、長期(2か月~6ヶ月)でみると、時間外労働80時間が行われていたかどうかになります。
Aは大学卒業後の平成19年4月にY会社に入社し、Yが運営する店舗にて調理関係の業務に従事しておりましたが、同年8月11日未明に急性左心機能不全により死亡しました。Aの労働時間は、死亡前の1ヶ月間では総労働時間約237時間34分、時間外労働95時間58分、2か月目では、総労働時間302時間11分、時間外労働129時間6分、3ヶ月目では総労働時間302時間11分、時間外労働129時間6分4ヶ月目では、総労働時間251時間6分、時間外労働78時間12分となっていました。Y会社の新卒賃金は、19万4500円で、内訳は基本給が12万3200円、役割給が7万1300円であり、役割給には80時間分の時間外労働が含まれておりました。また、36協定も1ヶ月100時間を年6回、750時間を限度として延長ができるものとされており、月の労働時間が300時間を超えることが常態となっておりました。Aの両親Xらは、Y会社に対して不法行為、債務不履行に基づき、また、代表取締役およびその他の取締役に対しては、会社法429条1項に基づき損害賠償を請求しました。1審はXらの請求を一部許容しました。そこで、Yらは控訴を行い、結果として控訴は棄却されました。(大庄ほか事件 大阪高判平成23年5月25日 労判1033号24頁)
取締役は、会社経営のかじ取りだけではなく、労働者の生命、健康を守ることに注意を払わなければならず、これを安全配慮義務と言います。労働契約法第5条にも安全配慮義務は謳われております。そして、この安全配慮義務に反して労働者に損害を与えた場合には、使用者側の不法行為として損害賠償を負うことに加えて、会社法429条1項の損害賠償責任を負うとされております。今回の判例では、役割給が80時間の残業と定義されていることや、36協定での月100時間の時間外労働など常態として長時間労働が行われていることの過酷な労働実態を放置していたという事実が問題となりました。賃金規程に記載した役割給の定義の仕方や36協定を届出などの労働法に関する労働時間規制に対しては直接の抵触がないとしても、労災保険の認定基準に照らしてみると、多大なリスクを抱えた労働体制だったといえます。労働法の遵守について、取締役も一定の責任を負うことが当該判例の判決となりました。常態として時間外労働が80時間を超えて行われている場合や、36協定での時間外労働の長時間設定などを行っている場合は、常にこのようなリスクを抱えていると考える必要があるでしょう。時間外労働が長い職場では、ノー残業デーの設定、健康診断(メンタルヘルスを含む)の実施とそのフォローなどの安全配慮を目に見える形で実施していくと共に、労働体制の見直しを真剣に考えていくことも求められます。

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2013年05月07日 未分類 トラックバック:- コメント:0

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